情報技術は，目まぐるしい進化と発展を遂げ，家庭では電化製品がインターネットに繋がるIoT（Internet of Things）の普及で利便性は向上し，スマートウォッチやスマートグラスのように身体に身に付けるウェアラブルデバイスによって健康管理もできるようにもなりました。企業ではテレワークが進み，学校では一人１台の端末が配布され，学ぶためのツールとしての活用が進みました。

一方で子どもだけでなく大人も，インターネットの特性を学ぶ機会がないまま，自己流の盾と鎧を身に付けてデジタル社会に参画しているように感じます。自己流ですから，鉄の盾や鎧もあれば，ダンボールもあります。サイズもいろいろでしょう。大人はこれまでの人生経験を最大限に活かして飛んでくる矢を躱したり跳ね除けたりすることができますが，それでも情報技術の進化のスピードに困惑したり，ついていけないと感じたりすることもあると思います。防具を身に付けていない子どもたちでは，流れについていくことはできても，傷ついたり取り返しのつかない事態に追い込まれてしまったりすることも多いことでしょう。

技術の進歩は，人手不足を解消したり生産性が向上したりと良いこともたくさんあります。しかし，新しい技術の特性を知らなければトラブルや犠牲を生むこともあります。問題の本質が分からないので，避けることも防ぐこともできないのです。被害者加害者にならないためには，情報技術の特性，最低限インターネットの特性を知ることは必須と言えます。デジタル社会の恩恵を享受しながら，インターネットリテラシーを高めることは，自分自身だけでなく大切な人を守ることにつながります。

コムパレットは，子どもから大人までデジタル社会に参画するすべての方に向けた映像教材を開発に取り組みます。そしてだれもが公共的な意識をもち，よりよいデジタル社会の一員としての在り方を考えることができる教材づくりに邁進いたします。